天なびコラム

第6386話

2018年04月22日

紫のシャワー

少し前まではあれほど綺麗に咲いていた桜も葉桜になってしまい、ついさみしさを覚えてしまいます。
しかし先日、近所の公園で藤の花が咲いているのを発見し、単純な私はあっという間に心奪われたのでした。

藤の花といえば、紫色の花のシャワーが優雅で美しいですよね。
そのシャワーの下に行くと、ほぼ必ず遭遇するのが大きな羽音をさせてはばたくクマバチです。
私が小学生の頃、校庭に藤の木があったのですが、蜂が苦手な私はいつもビクビクしながら藤の木の周りを通っていたことを思い出しました。
何故藤の花の周りには必ずクマバチがいるのか…。
調べてみたところ、藤の花はクマバチ媒花と呼ばれるほどクマバチに好まれていて、クマバチのオスは藤の木を縄張りにしていることが多いようです。
また、交尾のためにクマバチのオスはメスに限らず近づくもの全てを追跡して、メスか否かを確認する習性があるのだとか。
実はメスかどうか確かめられていたのですね…。
納得しましたが、おとなしい性質の蜂とはいえ近寄られると焦りますよね。

ちなみに藤の花ですが、桜と同様に例年より開花が早い地域が多い模様です。
桜が名残惜しい方は、藤の花でお花見はいかがでしょうか。


執筆者:いろごはん