天なびコラム

第6135話

2017年08月14日

大雨洪水注意報

「恵みの雨」も降りすぎると災害をもたらします。地面に落ちた雨はまず、地中にしみこんだり、地表面を流れ下ったりします。この段階では、土砂崩れ、低地の浸水といった災害を引き起こす可能性があり、これらに注意を呼びかけるのが大雨注意報です。

次に雨水は川へと流れ込みます。ここでもその量が多すぎると、川の水が溢れ出て災害をもたらすことがあり、洪水注意報で注意を呼びかけます。同じような家屋の浸水でも、雨水ならば大雨注意報、川の水ならば洪水注意報の領域になります。

どちらの注意報も、以前は降水量をもとに発表されていました。さらにその基準となる値が似通っていることが多く、2つの注意報が同時に発表されることが多々ありました。しかし計算機の進歩により、この夏からは地表面や河川を流れる水の量を細かく計算・推定し、その結果をもとに注意報が発表されるようになりました。

私の住んでいる地域では、洪水注意報の発表が減り、大雨注意報が単独で発表されることが増えた印象があります。皆様のお住まいの地域ではいかがでしょうか。これまで「大雨洪水注意報」のように2つセットで扱われることが多かったように思いますが、それも過去のことになるかもしれません。


執筆者:ヒョウタン