天なびコラム

第8555話

2024年03月30日

4月の満員電車

早いもので今年も4月になろうとしています。
近年、桜の季節は入学式から卒業式に変わったなんて声もありましたが、今年は桜の開花がここ数年の中では遅く、本来の桜の季節に戻るかもしれません。

さて、都市部で電車通勤をしていると、4月になったら電車が混む・4月が1番混雑して大変だと憂鬱に思う方も多いのではないでしょうか。
単純に考えると、都市部に移ってきた新社会人や新大学生が乗ってくる為と思われますが、実際の所本当に4月が1番混むのでしょうか?

コロナ前の2018年度の旅客数を見てみると、最も多い月は5月でした。
ゴールデンウィークのお陰で増えているのもありますが、実はこれを通勤通学で毎日のように利用する定期利用客数に絞っても1位は5月となっています。
一方で4月の旅客数は、突出して多くなければ決して少なくもない平均的な値で、定期利用に絞っても結果は同じでした。
つまり、4月が1番電車が混む時期だという説は、統計的には正しいと言い切れないのです。

では何故4月が混むと感じてしまうのか?
これには色々な考えがあるそうです。
4月より前の2・3月は定期利用客数が1年の中で最も少ない時期の為、4月になって一気に増えたように感じることで4月が混むと認識しやすくなります。
“1番”混む訳ではないですが、4月に人が“増える”という点はあながち間違いではないようです。
また、新社会人や新大学生が多いのは事実なので、満員電車に慣れていない旅客が多く、他の月より満員時の身動きがとりづらくなって混んでいるように感じるという意見もあります。
他にも、新生活で荷物が多くなりがち、新人研修で地方勤務の人が一時的に都市部にいるなど、調べていたら4月らしい説が様々ありました。

私自身も通勤時間帯に電車を利用する身として、4月の満員電車を今の内から覚悟しておこうと思いました。
節目を迎える人の多い4月、満員電車は大変ではありますが、くれぐれもトラブル沙汰にはならないように。
車窓から桜を眺めて癒されるぐらいの心の余裕が欲しいものです。


執筆者:そふぃー