天なびコラム

第6600話

2018年11月22日

字のデザイン

予想天気図を見ると、今日は気圧の谷が通過した後に冬型の気圧配置になる模様。等圧線の間隔も狭く、木枯らしが吹きそうな気配です。
ところで木枯らしは「凩」とも書きます。これは日本独自の国字です。なるほど、几は風を表すので、「強い風によって木の葉が落ちてしまった様子」がよく伝わります。類字は「凪」と「凧」。前者は風が止んだ状態である「なぎ(和ぎ)」、後者は風によって舞い上がる布を示す「たこ」です。
読みの語源は漢字表記の方が伝わりますが、状況は国字の方が写実的に表していると言えるでしょう。
几を使った国字はこの3つですが、日本には地域や季節特有の風やそれに関する物事はまだまだたくさんあります。それをどのような字としてデザインするか。芸術の秋でもありますので気象現象を「私字」として創作してみるのも一興です。お試しあれ。

執筆者:西