天なびコラム

第6829話

2019年07月09日

日本の梅雨と世界のエルニーニョ

今年の梅雨入りは、西日本の多くの地域で平年より20日程度も遅くなりました。
この要因のひとつとして、昨秋から続いているエルニーニョの影響を考えてみました。

ハドレー循環という、地球規模の大気の流れを聞いたことはありますでしょうか。
赤道付近で上昇した空気が、緯度30度付近まで移動して下降することで高気圧ができるというものです。
日本の近くでは例えば、フィリピン付近で上昇した空気が下りてくることで、夏の気圧配置を象徴する太平洋高気圧に影響します。

エルニーニョが発生すると、この組み合わせの位置が東にずれやすくなると言われています。
例年なら梅雨が始まる時期にこの位置ずれが発生し、東ほど梅雨前線が北上しやすかったのではないかと考えています。
実際6月の天気図を見返してみると、太平洋高気圧が西に張り出してこない日が多かったように感じます。

小難しい話になってしまいましたが、地球規模で大気が繋がって影響し合っていると感じて頂ければと思います。
数千キロ以上離れた気候の関係パターンはいくつも考えられていますので、興味がある方は調べてみて下さい。



執筆者:えのきー