天なびコラム

第8570話

2024年04月14日

地元の桜

地元の最寄り駅が、ちょっとした桜のスポットになっています。
桜の中を通る電車が撮影できるとして鉄道好きの間では知られているようで、今年も三脚とカメラを構えて電車の発着を狙う人達を何人も見かけました。
満開を迎えた頃、私も撮り鉄の間に一瞬混じって邪魔にならない程度にスマホで撮って1分満たない内に退散しましたが、見返したらビックリするほど綺麗な夜桜が撮れていました。

そんなちょっとドタバタな撮影を試みた次の日、春の嵐で大雨と台風並みの強風が吹き荒れました。
今年の桜もこれで終わりかと思ったのですが、嵐が抜けた翌日も翌々日も見るからに満開の桜が。
勿論多少は散っているのですが、散った後の緑の葉っぱがあまり目立たず、一見すると散ったとは思えないほど満開の状態を維持しているようでした。
今年は例年以上に長く満開の桜を楽しむことができている気がします。

しかし、満開時期が長いのは全国的な話ではなく、むしろ満開にならないという声の方が多いようです。
私の大好きな宮崎でも、つぼみと葉っぱが共存するソメイヨシノが見られるというニュースが出てきました。
冬の寒さによる花芽への刺激が暖冬で不十分だと、桜の開花がまばらになり、一斉に咲かなくなってしまうそうです。

確かに今冬は暖冬傾向でしたが、一方で気温の落差が激しい冬でもありました。
東京と宮崎のアメダス気温観測を比較すると、東京の方が気温変動が大きく極端に寒い日も所々あるのに対し、宮崎は多少のアップダウンはありながらも全体的に平年より高い日が続いていました。
最寄り駅の桜が無事に満開を迎えられたのは、暖冬の中でも何度かあった極寒の日に助けられたのかもしれません。

もし温暖化でより暖冬傾向が強まると、数十年後には満開どころか桜自体が見られなくなるという試算もあります。
当然それは阻止したい所ですが、果たしてどうなることやら。
来年も無事に満開を迎えられることを願いつつ、暖冬の中でも奇跡的に満開になった今年の地元の桜を最後まで楽しみます。


執筆者:そふぃー