天なびコラム

第2654話

2008年02月02日

冬の旅

今日2月2日は年始から数えて33日目。
今年は「うるう年」ですから、年末まで333日あります。
何とも面白い数字の組み合わせですね。

暦の上では明日の節分で冬が終わることになりますが、現在の気候では立春を過ぎても冬の真っ只中という感じが否めず、なかなか実感がわかないところです(天気の分野でいう「冬」は12月〜2月です)。
それに、この冬は太平洋側でも曇や雨(雪)の日が多くなっていますので、地図で見る「冬らしい天気分布」というのも、目にすることが少ないように思えます。

さて、冬といえば「暗い」「荒涼とした」というイメージが付きまとうために、「冬晴れ」のような穏やかなイメージにならないことが多いものです。特に寒さの厳しくなる地域ではこの印象が強く、それは日本に限らないようです。
作曲家のフランツシューベルトは、1827年、ドイツの詩人ヴィルヘルムミュラーの『冬の旅』という詩に楽曲を付けました。24曲からなるこの詩(曲)は、失恋の痛みを胸に冬景色の中をさまよい歩く青年の姿を描いたものです。これが春の旅や夏の旅なら、後世に伝えられるような詩や曲にはならなかったでしょう。

曲調は確かに暗く、陰うつなものですが、やさしい感じのする曲でもあります。時間のある時や眠りにつけない夜などに聴いてみると、案外聴きやすいかと思いますよ。


執筆者:八鬼