天なびコラム

第2657話

2008年02月05日

丸くな〜れ

暦の上では春になりましたが、現実は厳しい寒さが続いていす。あまりにも冷たい風に吹かれると、寒いというより痛いと感じます。
さて、みなさんは「柊(ヒイラギ)」をご存知ですか。刺々しい葉が特徴的な木で、その棘から「魔除け」としてもよく使われます。節分の飾りにされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。字を見ると「木へん」に冬。なぜ冬かといえば、痛々しい葉の姿が厳しい冬の「痛さ」に通じるからです。ただ、柊の葉は若いうちは他を寄せ付けないような棘があるのですが、年を取るとその棘が丸くなってきます。ですから同じ柊でも若い柊は「鬼柊」、年老いた柊は「角丸柊」と呼ぶことがあります。今の寒さはまさに「鬼」。節分も過ぎたので早く「鬼は外、角丸は内」になることを願います。
ところで柊の葉は良く人にもたとえられます。人も年を取ると丸くなると言われるからですが、私の心の中の柊はまだまだ「鬼」。こちらも少しは「丸く」したいものです・・・。

執筆者:西