天なびコラム
第2664話
2008年02月12日
致死的退屈症
いきなり物騒なタイトルですみません。。。m(__)m
この病気は本当にあるわけでなく、ドイツで生まれた昔の子供向け小説の作中にでてきた架空の病気です。
その病気がどんなものかというと。。。
『ある日急に何事もやる気がなくなって、何にも興味がなくなり、日を重ねるごとに世の中に対して不満が募り、憂鬱感が増してゆく。。。』
というものです。
これって、現代のうつ病に似ていますよね。この作者が、未来の日本で蔓延するこの病の発生を何十年も前に予言していたと思うと驚くばかりです。
作中では人々をこの病に陥れようとする悪者が登場します。悪者達は時間貯蓄銀行と名乗り、時間を節約してでも働く金儲け主義を、人々の心に吹き込もうとするのです。
物語では、最後は主人公の活躍によって奪われた時間を取り戻すことが出来るのですが、今を生きる私達はどうでしょうか。
今見上げる空は今でこそ見られるもの。時間とともに空は変わり続けます。
天気も時間と共に変わり続けるもの。好きな時に青空を見たいものですが、決して貯蓄できるものではありません。
周囲もそうしていると言う理由だけで、今でこそ得られるものを捨ててまで未来へ貯蓄することへの心の葛藤が、現代の心の病を増幅させるのかもしれませんね。
もちろん未来への蓄積も大事です。
でも、時には今の自分を大切にしてあげることも必要なのではないでしょうか。
執筆者:そら