天なびコラム
第2688話
2008年03月07日
雲を見て思う
空の彼方からゆっくりと流れ来る雲。その姿をまじまじと眺めていると、いずれ自分の真上へとやってきます。そのタイミングは一瞬で、気付けば雲はまたゆっくりと自分から離れていきます。
遠くより流れてくる雲は「未来」。遠くにある間からでも、ある程度大きさや形を推測できますが、いざ近くまで来ると、微妙に違っていたりします。
真上に見上げる雲は「現在」。立ち止まることなく一瞬で通り過ぎてしまいますが、時には恵みや悲しみの雨をもたらします。
離れ行く雲は「過去」。近くにあるうちはまだはっきりと見えますが、遠くに離れれば離れるほど、その姿はぼやけ、形すら変わってしまうことがあります。
実際に空を見上げると分かりますが、ある一瞬では、私達はこれらの雲の「どれか」しか見ることが出来ないのです。
例えば、流れ来る雲を見ている間は、真上の雲や離れていく雲を見ることが出来ませんし、その逆もそう。。。
ですが、私達はその「どれも」に目を向ければなりません。
未来を見る(考える)ことで、私達は来たるべき「現在」がどうなるかを想像し、より良いものとするための心構えを持つことが出来ます。
逆に過去を見る(考える)ことで、私達は「現在」で行ったことの行く末を追う事が出来ます。その反省を活かして、来たるべき「現在」をより良いものに出来るのです。
そして「現在」で見たもの全てが「過去」を生み出し、「現在」で感じたこと全てが「未来」の自分を想像してくれます。
私達はいつでも「未来」「現在」「過去」から成り立っています。その3つにバランスよく目配りすることで、私達は何事にもステップアップしていけるんではないでしょうか。
執筆者:そら