天なびコラム

第2691話

2008年03月10日

イカナゴ

3月も中旬になりました。先週は寒気の影響で日本海側を中心に雪の降った所もありましたが、春はもうそこまで来ています。
さて、瀬戸内海地方を中心に春を告げる魚として「イカナゴ」があります。皆さんよくご存じの「ちりめん」に使われている魚です。成魚になると体長は約25cmですが、よく食べられるのは体長が5〜6cmの幼魚です。小さいながらDHAやEPAを多く含み、カルシウムも効果的に摂取できる栄養価に優れた魚です。
このイカナゴは日本全域に分布していますが、本州付近に生育しているものは水温が高くなる夏の間は砂に潜って暑さを避ける変わった習性があります。
食べ方としては塩茹でした「釜揚げ」や干した「ちりめん」はおなじみですが、神戸や明石では、「クギ煮」といって佃煮のように調理して温かいご飯にまぶして食べる所もあります。
播磨灘と大阪湾では先月28日にシンコ漁が解禁になりました。旬の食材を食べて、一足早い春を感じたいものですね。

執筆者:ひろ