天なびコラム

第2693話

2008年03月12日

人によりけり

 3月も中旬。移動性高気圧に覆われることも多くなり春らしさが増しています。
 本日も晴天のところが多いですが、これを「好い(良い)天気」または「絶好のお出かけ日和」と表現することには抵抗があります。というのも花粉症の人にとっては、晴天でポカポカした陽気ほど辛く「お出かけなんてとんでもない」と思うことがあるからです。「好い」「悪い」は人によりけり。主観的な言葉は受け取り手の立場によって意味合いが変わります。だから気象庁の「天気予報等で用いる予報用語」では、「好い・悪い天気は意味がいろいろに解釈されて誤解を招きやすいので用いない」としています。
 啓蟄も過ぎ、寒さにちぢまっていた虫も穴から出て動き始めるほどの陽気なのですが、「晴」のマークが並んだ週間予報を見るとチョット憂鬱・・・。最近になって「花粉症デビュー」を果たした自分を省みて、天気概況を書くときには様々な立場の人を考えないとダメだなと改めて思いました。言葉を扱うのは難しいです。

執筆者:西