天なびコラム

第2702話

2008年03月21日

桜餅

春彼岸も中日を過ぎましたが、彼岸前から、お店や広告で『桜餅(さくらもち)』を見かけるようになりました。餡(あん)入りの餅を塩漬けにした桜の葉で包んだもので、端午の節句の頃に作られる『柏餅(かしわもち)』や『ちまき』と違い、包んでいる葉も食べられます。

この桜餅、関西圏では『道明寺』という米粒が残ったような餅で餡を包んだものを指しますが、関東圏では小麦粉と寒梅粉(かんばいこ:もち米を砕いたもの)から作った生地でワッフルのように餡を巻いたものを指す、という風に2手に分かれるようです。関東圏のものは『長命寺』というそうですね。
最近でこそ、「関西風」「関東風」として両方の桜餅を置いているお店がありますが、関西圏の方は道明寺しか知らない、関東圏の方は長命寺しか知らない、という場合も多いようです。
ただ、どちらも桜色にするところは共通で、見た目にも春らしさを感じさせてくれます。

さて、桜の木の方は真冬の寒々した様子から少しずつ変わってきています。私の住んでいる所でも、陽だまりなどでは新芽(花芽)が顔をのぞかせ、開花の準備をはじめているように見えます。
1〜2月が寒かったのに対して3月は比較的暖かくなっていますので、きれいに咲いてくれるのではないかな、と思います。


執筆者:八鬼