天なびコラム

第2717話

2008年04月05日

なずむ

4月最初の土曜日。春らしい陽気に誘われて花見に出かける方も多いことでしょう。
さて、春をあらわす言葉として「泥む(なずむ)」があります。なずむには「なかなか進まない」の意味をもちます。「泥」の漢字を当てていることからもイメージができますよね。秋の夜長に対して春は日長。どんどん昼の時間が長くなります。春はなかなか日が暮れないことから「暮れなずむ」という表現が生まれました。「秋の日は釣瓶落とし」とまったく逆の意味になります。
何かとスピードが求められる昨今ですが、休日は春らしく「なずむ」時間を取ってみることも一興かもしれません。近所に咲いている桜を「ぼう」っと眺めながら、ゆったりと時間を過ごす。他の季節だとなかなか味わえない贅沢です。いちどお試しあれ。

執筆者:西