天なびコラム

第2726話

2008年04月14日

雪形

山の雪がとけて山肌が見え始めると、その山肌が動物などの形に見えたりします。これを雪形と言って、昔から農家の方々が農作業を始める合図にしてきました。山肌ではなく、残雪部分が動物などに見える場合もあり、これも同じように雪形と呼んでいます。
雪深い地域では、まだまだ山が真っ白で山肌など見えない状態ですが、雪融けの早い所はもう残雪すらない状態。ちょうどその中間に当たる地域では、雪形が現れ始めたか、これから見えてきます。

雪形には既に名前が付けられているものがあります。例えば、北アルプス常念岳の常念坊、白馬岳の代馬(しろうま)などです。毎年同じ位置に、同じ形で現れますので、このように名前が付けられています。逆に言えば、自分で名前を付けることもできるわけで、山好きの私の知人が無名の雪形を見つけようとしていたのを思い出します。

雲の形や雲のすき間にも何となく形を探してしまいます。犬の形に見えたり、大きな魚に見えることは良くあると思います。これは写真で見たものですが、雲のすき間がハート型になったロマンチックなものもありましたよ。

春は天気がめまぐるしく変わりますので、積雲がゆったり浮かんでいることは少ないのですが、のんびりしたい時には、ゆっくり形を変える雲を眺めて、心を和ませて下さい。


執筆者:八鬼