天なびコラム

第2729話

2008年04月17日

山の笑顔

 4月も半ば過ぎ。桜もすでに見ごろを過ぎたところも多いでしょう。
 でも春の花は桜だけではありません。先日、ハイキングに行くと見事な福寿草の群落に出会いました。カタクリの花もちらほらと見られます。まだ残雪があるものの、春の息吹を感じずにはいられません。
 春の季語で「山笑う」があります。これは中国の漢詩集に「春山淡冶(たんや)にして笑うが如く」と春山の草木が芽吹く様子を表していることが由来です。この漢詩では「冬山は眠る」と形容しているのですが、春の山を単純に「起きる」とするのではなく、「笑う」と表現した感性がとても素敵なところ。晴れている日はもちろんのこと、雨の日も花や新緑はいきいきとして、笑顔で迎えてくれるように感じます。
 山に登らなくても、通勤・通学路にある草木も芽吹いています。今日は曇や雨の所が多そうですが、屈託のない「笑顔」を見つけて春を楽しみましょう!

執筆者:西