天なびコラム

第2762話

2008年05月20日

バラなる花は...

端午の節句には菖蒲(ショウブ)、母の日にはカーネーション。5月に咲く花や、記念日などに関係する花はたくさんありますが、薔薇(バラ)も多くの品種が5月から花を開かせます。
バラ祭りが開催される地域もありますので、バラ園や植物園に出かけたよ、という方もいらっしゃることでしょう。バラは親しみやすい花のひとつに数えられるかも知れません。もっとも、誕生花としてのバラは「6月の花」になってしまうようですが...

バラの花には、代表的な赤いバラから白いバラ、黒いバラ、黄色いバラ、淡い緑色のバラなど、さまざまな色のものがあります。数年前には、不可能と言われてきた青い色素を持つ「青いバラ」も誕生しています(実際の花は薄紫に近い色のようです)。品種改良や、遺伝子組み換えなどのバイオテクノロジによる産物ではありますが、じつに多彩です。また、バラにはつきものの「トゲ」がないバラもあります。実際に何種類あるか調べてみたことはありませんが、数千種のバラがあると言われています。

さて、タイトルに書いた「バラなる花は...」ですが、これにはもちろん「恋の花」と続きます。「バラなる花は恋の花、バラなる花は愛の花、バラなる花は女王花」、紀元前6世紀に詠(よ)まれた詩の一節です。当時のバラがそのままに現存しているかは分かりませんが、長い歴史を通して、恋の花・愛の花とされてきたのですね。
はなやかな姿と甘い香り。バラの花の季節のはじまりです。

執筆者:八鬼