天なびコラム

第2784話

2008年06月11日

カエルの歌が

久しぶりに祖母のいる香川に帰省してきました。

四国地方は昨年より半月ほど早く5月28日に梅雨入り。帰省中もあいにくの雨模様だったのですが、祖母の元気な姿がなにより、そんなことは気にもならないくらいでした。

祖母の家の周囲はまだまだ田んぼや畑に囲まれています。すると、今の時期は毎日夜になると外で宴が繰り広げられます。

その宴の主催者はカエルです。春はカエルの繁殖期で、オスがメスに自分の存在を知らせるために鳴きます。この鳴き声を「広告音」と呼ぶそうで、水田があるとたくさんのカエルが一斉に鳴いて大合唱になるのです。

夜、布団の中で眠りにつこうとすると、外ではカエルが大合唱。でも、なぜか耳障りではないんですよね。これが道路を交差する車の音だったら同じぐらいの音量でもとてもうるさく感じるのでしょうが。。。

それどころか、網戸から流れてくる、ほんの少し土の匂いを含んだ柔らかい風と大合唱が相まって、とても心地良い眠りへと誘ってもらえた気にさえなりました。

翌日、外はやはり雨。居間で朝食を囲っていると、またもやカエルの大合唱。

アマガエルは「雨蛙」の名の通り、雨が降る時や降りそうな時にも鳴きます。これを「雨鳴き」「レインコール」と呼んだりするそうです。アマガエルは気圧や湿気の変化に敏感なので、天候の変化にもいち早く気付いて知らせてくれるんでしょうね。私も負けていられませんね(汗

帰省最終日、ようやくの晴れ間が見えたので家の庭を散策。祖母は花を育てるのが好きで、とても広い庭なのですが、毎年たくさんの花が咲き誇っています。

そんな花畑で見つけた咲きかけのゆりの花。よ〜く見ると、花のつぼみの下に小さなアマガエルが!

梅雨の主人公達の共演。これからもいつまでも梅雨を彩る存在で居てくださいね。

執筆者:そら