天なびコラム

第2801話

2008年06月28日

五月闇

6月ももうすぐ終わり。夏が少しずつ近づいてきていますが、本州はまだまだ梅雨が続きそうです。
さて、梅雨空が続くと日が照る時間が少なくなるのは周知の通りですが、同時に月明かりや星明りも見えないことにお気づきでしょうか。実は梅雨の時期の夜は暗いのです。ですからこの時期の夜を「五月闇(陰暦、現在の六月)」といいます。確かに昔は月があるのとないのでは明るさが大違いだったはずです。まさに「闇」といった言葉がピッタリだったでしょう。ただ現在では天気に関係なく、街では夜も明るいので実感がわきません。昔はどこでも体験できた「五月闇」ですが、今では場所が限られてしまいました。
でも、残された言葉を共感できると嬉しいもの。わざわざ曇り空の夜に街外れに出かけて先人の感覚と触れ合うのも風流です。防犯には気をつける必要がありますが、梅雨ならではの季節感も楽しみましょう!

執筆者:西