天なびコラム

第2810話

2008年07月07日

ミルキーウェイ

七夕の主役である織姫(ベガ:こと座)と彦星(アルタイル:わし座)。その間に川のように連なる星々が天の川。そして、その天の川をカタカナ語にしたのがミルキーウェイです。
ミルキーウェイという名はギリシャ神話に由来していますが、その実は、淡く白い光の筋に見えたからでしょう。以前のコラムに『五月闇』のお話がありましたが、星明かり以外がないような所では、淡い色もほどよい明るさに見えることでしょうね。

天の川の中には、はくちょう座のデネブという星があって、ベガ、アルタイル、そしてこのデネブの3つ星で夏の大三角形が作られます。天頂付近にベガ、南東にアルタイル、北東にデネブが輝きます。

天の川の正体は、銀河を構成し、円盤のようにまとまって存在する星々です。地球はこの「円盤」の中に入っているため、星の密度の高い部分が線状に見えるわけですね。ちょうどレコードやCDの盤面を横から見るのに近い状態です。
さて、円盤の中に入っているのなら、180度反対方向にも天の川が見えるはずです。つまり、夏の夜には見ることができない冬の星座のある方向にも天の川が延びているはずだ、と。
そう、天の川というと七夕の頃にしか目にする機会がないと思われがちですが、実際には冬にも見えるのです。もっとも、冬に見える天の川は夏のものよりさらに淡い色で、本当にぼんやり見える程度ですが。
冬に天の川を見るには、冬の大三角形を探します。南東の空に輝く、プロキオン(こいぬ座)、シリウス(おおいぬ座)、そして、ベテルギウス(オリオン座)の3つの星です。冬に星空を見上げる機会があるならば、ぜひ憶えておいて下さい (私はきっと忘れます)。


執筆者:八鬼