天なびコラム

第2813話

2008年07月10日

暑くて飛べない

7月に入り、真夏日を記録するところも増えてきました。梅雨も西から徐々に明け始めています。夏本番はもう間近です。
ところで飛行場には「航空地方気象台」や測候所があり、航空機の安全運行のために観測や予報業務を行っています。航空機は風や視程(見通し)の影響を強く受けるので、基準値を超えるとただちに臨時観測を行います。これを特別観測というのですが、「スペシャル」と表現することもあります。この「スペシャル」の中で以外なのが気温の観測。現在の気温が32度以上で、前の観測値から2度以上上昇すると特別観測を行います。気温と航空機の運行はそれほど関係ないように思われますが、地上付近の気温があまりにも上昇すると大気密度が小さくなり、離陸できるだけの十分な揚力を得られません。満員で荷物も満杯のときに気温が非常に高くなると、航空機の種類によっては規則により飛べなくなってしまいます。
これから暑い日が増えてきます。真夏の気温も近年は上昇傾向。猛暑で飛べない航空機がたくさん出ないように願うばかりです。

執筆者:西