天なびコラム

第2827話

2008年07月24日

くじらの尾

暑い日が続きます。気温が体温並みの36℃まで上昇している地域もあり、いよいよ夏も本番だなぁと感じます。

さて、天気図上でこの暑さをもたらしているのは、言わずと知れた夏の主役「太平洋高気圧」です。その名の通り、太平洋に存在する温暖な高気圧で、背が高く安定しており、日本の夏の天気を支配します。

その太平洋高気圧が広く日本付近を覆い、さらに勢力を強めると、西の端が北へ盛り上がり、南から暖かい空気を送り続けます。このピンと北へ張った状態は、夏の天気図で見られる特徴となっています。

このような夏の特徴的な気圧配置を「鯨(くじら)の尾(お)型」と呼んでいます。太平洋高気圧を鯨の胴体、北へピンと張った部分をシッポとみなしているのですね。

「鯨の尾型」の天気図は、過去のデータを見ると、7月下旬〜8月上旬頃がもっとも多く出現しています。言い換えると、日本ではその頃が、もっとも夏らしい時期ということになります。

本格的な夏はこれからです。日中屋外で作業をされている方は水分補給をしっかりとって、熱中症にはご注意ください。

執筆者:けん