天なびコラム

第2849話

2008年08月15日

セミと季語

 8月も半ば。今日は曇や雨の所が多い模様ですが厳しい残暑は続きます。そしてセミの鳴き声が暑さを引き立てます。
 さて、そのセミは俳句の季語では夏なのですが、ヒグラシの季語は特別に秋になります。都会ではヒグラシの鳴き声を聞くことは難しいですが、少し郊外に出かけると朝夕に「カナカナカナ・・・」と何とも物寂しい声を聞くことが出来ます。ヒグラシは7月に現れ、特に秋に鳴き始める蝉ではないのですが、独特の鳴き声は夏と言うより、情趣深さをもっとも感じさせる秋にふさわしいと考えて、秋の季語となったそうです。でも私はヒグラシよりツクツクボウシの鳴き声を聞き始めると夏の終わりを感じます。この声を聞くと子供の頃は「夏休みが終わってしまう。あ〜宿題が・・・」と焦ったものです。
8月も後半に入ると、そろそろツクツクボウシの声が際立ってくるでしょう。厳しい残暑は続きますが、秋の気配を感じさせるものもこれからは増えそうです。

執筆者:西