天なびコラム

第2870話

2008年09月05日

クマ出没注意

日が短くなって、陽射しにも真夏のようにギラギラした感じがなくなってきました。
この夏は大阪でも35度以上の気温になった日が多かったためでしょうか、25度くらいの気温では「何となく寒い感じがする」と言う声も聞かれたほどです。
一方、北日本では稚内において8月の最低気温としては最も低い1.5度を観測した日があり、115年ぶりに記録が更新されました。北日本は8月下旬に気温の低い日が続き、ストーブが欲しいと感じた方もかなりいたようです。

さて、ようやく涼しいと感じる日も多くなって、散歩などに出かけてもそれほど日陰が恋しいと感じることがなくなりましたが、木陰に入ってふと見下ろすと、そこにはドングリの姿が!
まだ秋の口なのに早い気もしましたが、ドングリを見かけるようになると、里山などでは注意しなければならないことが出てきます。それは、クマの出没です.

日本では北海道にヒグマが生息し、本州〜四国にツキノワグマが生息しています。ただ、本州や四国では、定住性が確認されていない府県もあります。
ヒグマもツキノワグマも雑食性で、稔りの秋には農作物を食べに低地へ降りてくる個体が出てきます。逆に、人間は農作物の収穫のほか、木の実を探したり、もっと季節が進めば紅葉狩りに行くなど里山へ入る機会が増えます。そうすると、クマに出会う可能性も必然的に高くなります。特に、近年はクマが食べるドングリなどの木の実の生育状況が悪いと、農作物を求めて低地に降りてくる個体が増えると考えられています。

秋におけるクマの目撃情報は8月下旬から次第に増え、10月頃にピークを迎えます。最近ではインターネットでクマ(の目撃)情報を公表している地域もありますので、これからの季節、里山などに出かけようと思っている方は、目的の地域に目撃情報がないか調べておくのも良いと思います。


執筆者:八鬼