天なびコラム

第3852話

2011年05月15日

飛行機の欠航の基準

飛行機が空港から離陸するか、しないかの判断は、天気、風、視程(遠くのものが見えるかどうか)が影響してきます。それらの基準は各空港毎に厳密に定められています。その規定は、風速何m以上はダメとか、単純なものではありません。

たとえば風の場合、風の強さだけでなく、向きにも注意が必要です。飛行機は正面からの向かい風には強いですが、後からの風、横からの風には弱いためです。ですから、いくら強風が吹いていても、風の吹いてくる方向が、飛行機の正面から吹いていれば、運航は可能となります。

また、後ろから風が吹いてくる時でも、滑走路を反対向きに使用すれば、運航が可能となります。飛行機の飛び立つ方向が日によって違う事がありますが、これは向かい風となるように運航したいためです。

一番厄介なのが、横風です。飛行機が横から風を受けると、機体をまっすぐに保って離陸、着陸することが難しくなり、欠航となる多くは強い横風の時となっています。しかし、このような時でも、いろいろな向きの滑走路を何本も持っている空港は、向かい風になる滑走路を使用すればすむので、運航可能となります。このため、滑走路が2本、3本とある空港は、欠航が少ない空港と言われています。

風以外には視程も影響し、霧や大雨の時には、欠航となってしまいます。

飛行機は移動速度が速く、とても便利な乗り物ですが、鉄道、自動車と比べて、天候の悪化に弱いという欠点があります。

台風や大雨に影響されそうな際には、移動手段は、事前にそれらを考慮した確実なものを選択しておくことも重要だと思います。

執筆者:けん