天なびコラム
第3871話
2011年06月03日
空気を感じる
私には変な特技があります。それは、目で見なくても、歩く音だけでそれが誰なのかが判ること。あまり自慢できることではありませんね(笑)。歩く音だけでなく、ドアを開け閉めする音やパソコンのキーボードを叩く微妙な音の違いでも判ります。もちろん、普段から聞き慣れていることが前提ですが。。。
人の個性は、見た目の外観だけでなく、仕草や振る舞い、それに雰囲気まで様々に異なりますが、人が普段から肌で感じている空気にも、見た目では判り難い違いがあります。
空気がどうなっているかを量る尺度として、私達が最も目にするものは空気の温度、つまり気温です。人の身体は気温が高いほど暑く感じ、低いほど寒く感じるイメージがありますが、実はそれだけではありません。人が身体で感じる温度(体感温度)は、気温だけでなく、湿度や風の強さなどの影響が合わさって決められます。
例えば、5月のよく晴れた日の日中の気温と、6月の梅雨真っ只中の雨の日の気温は同じぐらいですが、前者は日陰で休んでいると、とても心地良くて涼しいですよね。ところが、後者はジメジメと蒸し暑く感じます。
これはお気付きの方も多いと思いますが、湿度の違いにあります。5月の晴れた日は湿度が20〜30%程度でカラッと乾燥していますが、6月の梅雨時期の雨降りの日では湿度は90〜100%とかなりの湿潤。気温が同じぐらいであれば、人の身体は湿度が高いほど暑く感じ、湿度が低いほど涼しく感じます。体感温度を算出するためのミスナールの式によると、湿度80%を境目に、それより高いほど暑く、低いほど涼しく感じる傾向があるそうです。
この関係、実は冬場では逆転してしまいます。気温が10℃より高いと、湿度が高いほど暑く感じるのですが、逆に気温が10℃未満だと、湿度が高いほど身体は寒く感じます。確かに、冬場に雨が降ると気温以上に寒く感じますよね。これは湿度が高いことが原因です。
他にも、風が強いほど体感温度が低くなる傾向があったりと、人が空気に対して感じる感覚は、天気や気温を見た感じだけでは理解し難いものがあります。
そこで、天なびではこの身体が感じる暑い寒いを、少しでも分かり易くお伝えする情報をご用意しています。全ての市区町村の天気がわかる「全国ポイント天気」をご覧頂いた時、下の方に「健康天気予報」というリンクがあります。この中の「体感」という情報は、気温や湿度、風から予測した、身体がその日の空気に感じる心地良さです。「ムシムシ」「快適」「肌寒い」など、分かり易くお知らせします。
これからの時期、エアコンの節電対策にも役立つと思いますので、是非使ってみてくださいね。
執筆者:そら