天なびコラム

第3886話

2011年06月18日

きっかけ

沖縄から西日本に進んできた台風2号が、梅雨前線を南から押し上げてきたことがきっかけとなって、今年は中国・四国〜関東甲信で平年よりも10日程、昨年よりも17〜18日早い梅雨入りを迎えました。

毎年やってくる梅雨は、時期がくればいつの間にか梅雨入りして、いつの間にか梅雨明けするようにも感じますが、実際には台風の接近のようにきっかけとなる出来事とともにやってくることが多いです。このようなきっかけはどの季節の入り口にもあります。

冬を呼ぶきっかけは、日本の東で発達する低気圧。秋が深まると日本付近を通過した低気圧が日本の東海上で発達し、日本付近に西高東低の気圧配置を作り出します。すると、中国大陸から吹き込む季節風が強まり、日本海側で時雨を、太平洋側で乾いた木枯らしをもたらし、冬の到来を知らせてくれます。

春を呼ぶきっかけは、日本海を通過する低気圧。冬の日本は寒気が強弱を繰り返しながら流れ込む場。日本海に低気圧がやってきて発達すると、強い風に乗って日本の南から暖かい空気を運んできてくれて、私達はその年初めての春を感じることが出来ます。

あと、夏や秋の入り口は台風がきっかけになることがよくあります。梅雨前線や太平洋高気圧を押し上げたり、押し下げたり。。。

季節と同様に、人が何か新しいことをするためにもきっかけは大切なんだと、最近つくづく思います。大震災やその後の出来事をきっかけに、自分の在り方を見つめ直した方はたくさんいらっしゃるのはないでしょうか。

日頃から今の自分に不満や物足りなさを感じていても、きっかけがないとなかなか自分を変えられるものではありませんが、そのきっかけが自分の思い通りのタイミングにやってきてくれないんですよね。それなら、自分できっかけを作ればよいとも思うのですが、そうも上手くはいきません。

最近仕事しかしていない私の場合は、人と出会ったり仲良くなったりするのに、どうやってきっかけを作ればよいかがさっぱりわからない情けない状況。下手なことをして相手を傷つけては元も子もないですし、全くのノーアイデアです。どこかに落ちてないものですかねぇ〜。。。

・・・

…それはともかく、きっかけは人にも大地にも新しい空気を運んでくれる重要な存在。気まぐれで何時やってくるかはわかりませんが、もし捕まえたなら離さずに、その機会その場を大切にしたいものです。

執筆者:そら