天なびコラム
第3888話
2011年06月20日
虫の声
今の時期、私の住んでいるところはカエルの鳴き声がよく聞こえてきます。
よく聞こえる時とそうでない時がありますが、これは気温と湿度が関係しているようです。特に雨が降り続いたり、湿度の高いジメジメした日はよく聞こえますね。
さて、これから先は西日本から次第に梅雨前線が北上し、各地で梅雨が明けて次に聞こえてくるのはセミの声です。セミの鳴き声は、雌を呼び寄せたり、仲間とのコミュニケーションの手段に使っているようです。中でもクマゼミは午前中に鳴くセミの代表格ですね。朝に盛んに鳴き、午後になると木にとまってじっとしているだけでほとんど鳴き止んでしまいます。
一方、アブラゼミはお昼前後から、日没にかけて盛んに鳴き続けるという具合です。
あと、ヒグラシをご存知ですか。あの「カナカナカナ・・・」と涼しげに鳴くセミです。このセミは日の出前や日没前後の薄暗くて気温がやや低い時や、昼間でも雨が降りそうなあやしい雲行きになると鳴きだします。曇って薄暗くなった時や気温が下がった時、または林内の暗い場所などでは日中でも鳴く事があります。夕方の日暮れ時に鳴く(まれに夜中ぐらいにも鳴くことがある)ことから、「日を暮れさせるもの」としてヒグラシの和名がついたと言われています。朝夕に響く声は涼感や物悲しさを感じさせられます。ヒグラシにとっては、暗くて気温が下がるという条件が鳴くためには必要なようです。最近のセミは、夜でもコンビニの照明などで明るく、おまけにヒートアイランド現象などで昼夜の温度差が少なくなって昼間と勘違いして、夜でも鳴くセミがいるようです。せみの鳴く時間は、なによりも気温や太陽の光に左右されます。
こうした虫から教わる気象情報は、決して「無視」できないものだと感じます。
執筆者:ぶどう畑