天なびコラム
第4678話
2013年08月18日
蝉
お盆を過ぎても厳しい暑さが続きます。みなさまは、お盆はどのように過ごされましたか?
今年のお盆は、私は気象観測で毎日山深い場所へ通っていました。山深くても日中では30℃を越えて暑かったです。
この時期、耳を澄ますと山の森から色々な蝉の声が聞こえてきます。「ミミミミ…」というアブラゼミ、「ミーンミンミン…」というミンミンゼミ。「ツクツクホーシ、ツクツクホーシ…」とツクツクボウシ。
「カナカナカナカナ…」という鳴き声はご存知ですか?
山でよく聞くこの声はヒグラシという蝉の声です。
子どもの頃は、夏休みに蝉取りをよくしていたのですが、私の町ではアブラゼミが多く、この蝉は人気がいまいちでした。逆にクマゼミは貴重でした。クマゼミは「ジジジジ…」と鳴く大きな蝉で、九州や西日本で見られます。
そして、私の蝉人気ランキングでトップだったのがツクツクボウシでした。この蝉は、鳴き声が変わっている上に、他の蝉以上にすぐ逃げるので、捕まえることが容易ではなかったのです。友人と柄の長さが5m以上の網を持って必死に追いかけたのを覚えています。初めて捕まえた時はとても嬉しかったです。
ミンミンゼミは九州では殆ど聞いたことがなかったのですが、関西の山で耳にして、本当に蝉が「ミンミン」鳴いていたことに驚きました。
まだまだしばらくは色々な蝉の声を聞くことができます。「蝉の声」「暑い」と連想してしまいがちですが、鳴き声に注目して蝉の声を楽しんでみてはいかがでしょう。
執筆者:熊