天なびコラム

第4681話

2013年08月21日

雷雨と冷気

にわかに辺りが暗くなり、落雷や突風などを伴って、短い時間に激しい雨を降らせる雲は、入道雲や雷雲などとも呼ばれている積乱雲です。

モクモクと成長する間に、積雲→雄大積雲→積乱雲と出世魚のように名前を変える積乱雲ですが、単体の積乱雲の水平サイズは10km前後と小さく、出来始めてから雨を降らせて消滅するまでの時間は1時間程度と言われています。

実はこの積乱雲、急な気温の低下にも注意が必要です。
これは激しい雨と一緒に雲の中でつくられた冷気が一気に下降してくるためで、例えば先月7月27日に東京で雷雨があった時の気温の変化をみると、19時で28.8℃だったのが、20時に22.6℃となり、雷雨の前後の1時間で6.2℃も気温が下がっていました。

ちなみに「雷様におへそを取られる」と言って子供のお腹を服でしっかり覆うのは、お腹を冷やさないためです。

また、この積乱雲からの下降流は地上付近で冷気外出流となり、ダウンバーストと呼ばれる突風を生じ、災害が発生するおそれがありますので注意が必要です。

天気予報などで「大気の状態が不安定」というフレーズを聞かれた際は、激しい雨や落雷、竜巻などの激しい突風、降ひょうの他に、急激な気温の低下にもお気を付けください。


執筆者:Shin