天なびコラム
第4693話
2013年09月02日
もみじのはね
先日、滋賀の三井寺(園城寺)へ行きました。
このお寺は平安時代より続く歴史あるお寺で、その敷地はとても広く、山の斜面に幾つもの歴史的建造物があったり、琵琶湖を展望できる場所があったり、楽しい時間を過ごせました。お寺の境内にはたくさんの木々があり、ツクツクボウシやヒグラシの鳴き声も響いていて、秋の訪れを感じさせてくれました。
さて、境内の木々の中にはカエデもあります。この時期、カエデの葉はまだ緑色なのですが、よく観察するとたくさんの種がみられます。カエデの種はとても可愛らしい姿をしています。
カエデの種は一枚の羽の根元に1個の種が付いていて、これが対になっています。種は、この小さな1対の羽をプロペラのように回転させながら風に乗って、できるだけ遠くに飛んでいこうとします。なんとカエデの羽は回転することで揚力を得て、できるだけ空中に留まろうとしているそうです。種がくるくると回転しながらゆっくり落ちてくる様子はなかなか面白いです。
カエデの種も、小さな秋の訪れを感じさせてくれます。カエデを見る機会があれば、観察してみて下さいね。
執筆者:熊