天なびコラム

第4703話

2013年09月12日

混ざり合う季節

9月も中旬。朝晩は薄着では肌寒く感じる日も増えました。
ところで先日、近くの低山に登ってきました。地上の最高気温は30℃を超えて真夏日。確かに日差しはまだ強く、夏の名残がありましたが、陰に入ると湿度が低いため数字ほど暑さを感じませんでした。
少し驚いたのは蝉の鳴き声。山の方が秋の訪れが早いと思っていましたので…。ツクツクボウシだけでなくミンミンゼミまで鳴いていたので、目を閉じると「夏の残響」を味わえました。
そして目を開けると赤トンボがひらり。こちらは秋の到来を告げる「アキアカネ」。気象台によっては生物季節観測の対象になっています。トンボは「秋津」とも呼ばれますが、これは赤トンボが由来になったのでしょう。
8月が終わってからまだ半月。今は夏と秋が混ざり合う季節であることを実感しました。これからは時を追うごとに夏の成分が薄まり、秋の成分が濃くなるのでしょう。過ごしやすくなるのは歓迎ですが、消えゆく夏に寂しさも覚えます。みなさんは、いかがですか。

執筆者:西