天なびコラム

第4708話

2013年09月17日

随兵寒合

「ずいびょうがんや」と呼びます。今回は私の地元熊本の秋祭りと気候のお話しです。

熊本市では、9月の中旬に「藤崎八幡宮秋季例大祭」という秋祭りが行われます。このお祭りは熊本を代表するお祭りの1つで、その中でも目を引くのは敬老の日に行われる「随兵行列(ずいびょうぎょうれつ)」と呼ばれる神幸行列です。

随兵行列では着飾った馬や勢子が、ドラやラッパで奏でる独特の音階や勢子自身の掛け声に合わせて踊りながら街中を練り歩きます。随兵行列は、商店街や学校など、複数の団体から成っており、団体毎に勢子、馬がいます。年によって異なりますが、私が地元にいたころでは毎年50〜60団体が出ていました。団体毎にオリジナルのハッピを羽織り、馬を飾って歩いていきます。大音響の中、時々馬が飛び跳ねたりするなど、迫力のあるお祭りです。今でもこの祭りの音を聞くと胸が弾み、鳥肌が立つくらいわくわくします。

さて、タイトルの「随兵寒合」。これは熊本で使われる、この季節の特徴を示す言葉です。残暑の続く日々ですが、随兵行列の行われる頃の朝晩は肌寒いことが多く、この言葉が使われてきました。実際、この時期は季節の変わり目であり、朝晩に肌寒い日が増えてきます。台地や山に囲まれた場所も多い熊本では冷え込みが比較的強い日も見られ、こうした気候もこの言葉が使われるきっかけの1つになったのではないかと私は思います。

ここ大阪でも、夜は肌寒い日が出てきました。この時期は昼夜の寒暖差が大きく、油断すると風邪をひくこともあります。昔から使われてきたこうした地元の言葉には体調の管理に注意を促す意味合いを感じます。

日中暑くても、夜は足元に掛け布団を置くなど、みなさまも体調管理に気を付けて下さいね。


執筆者:熊