天なびコラム
第4764話
2013年11月12日
急がば回れ
琵琶湖の周辺を自転車で走ってきました。天気にも恵まれて絶好のサイクリング日和になりました。
琵琶湖と関係が深いことわざに「急がば回れ」という有名なことわざがあります。
「急ぐなら危険な近道ではなく、遠回りになっても安全で確実な道を行け」という意味です。
室町時代、滋賀県草津市矢橋港と大津市石場港を結ぶ渡し舟がありました。
琵琶湖より東の地域から京都に向かうには、渡し舟を利用することが「瀬田の唐橋」を渡るより近道となっていました。しかし、渡し舟は比叡おろしという突風などの影響を受ける危険な航路でした。
これを連歌師の宗長が「もののふの 矢橋の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」と詠んだのが始まりです。
今回のサイクリングで現地に行って船や橋を眺めることで、少しですが当時の旅人の気持ちになれたと思います。
執筆者:とも