天なびコラム

第4789話

2013年12月07日

雪の質

鮮魚店や寿司店で鰤(ぶり)が多く並んで、冬本番の様子が市場でも見られます。
今日は、二十四節気の「大雪(たいせつ)」。平地でも降雪になる時期で、全国的な冬の寒さがやってくる頃です。
スキー場もオープンしつつありますね。

スキーやスノーボードをされる方は、「雪の質」を気にされることがあるでしょう。
いわゆるパウダースノーは、とても軽くて粒子の細かい雪ですね。
このような「雪の質」は、雪の密度が関係しています。

雪は、氷の結晶の集合体ですが、氷の結晶の間には空気が含まれています。空気が多く含まれるほど雪の密度が小さく、軽い乾いた雪になります。
一般的に、気温が低いほど乾いた雪になり、気温が高いほど湿った雪になります。
また、積もった雪は、新雪では密度が小さいですが、雪自身の重さで圧縮されて、空気が減少して閉じ込められ、しまり雪、ざらめ雪に変化すると密度は5〜10倍も大きくなります。
雪が重くなると、スコップですくうだけでも何kgもの重さになり、雪かき・雪おろしの大変さが増してしまいます。

雪は、積もって時間が経つと質(密度)が変化しますが、その質の変化によって締まった雪に閉じ込められた空気が断熱効果をもたらし、雪の中は0℃でほとんど変化しなくなります。
これを利用して、かまくらや雪室が作られます。
変化したり、しなかったり、不思議な物質ですね。


執筆者:さくら