天なびコラム

第4823話

2014年01月10日

雪を欺く

二十四節気の小寒もすぎ、「冬深し」の言葉が当てはまる季節になってきました。寒さの底を迎えつつあります。
さて、みなさんは冬の色といえば何を想像されますか。夜が長いから「黒」、日本海側ならどんよりした天気が続くので「にび色(濃い灰色)」、太平洋側だと晴れた日が多いので「青」をイメージされるかもしれません。そんな中で外せないのが「白」。雪とのつながりの強い冬ならではの色でしょう。
ところで、「雪を欺く(あざむく)」といった言葉をご存知ですか。これは雪と見間違えるほどの白さの意味で、肌の白さを表すときに使ったりします。「雪ぐ(すすぐ)」といった表現からわかるように雪は潔白の象徴でもあります。そんな雪をだますくらいの白さです。「色の白いは七難隠す(色白の人は欠点が目立たない)」といったことわざがあてはまるような清廉さをもつ「白」なのでしょう。
自分の姿を鏡を見ると、とても雪を欺くような肌ではありませんが、内面は欺く白さを少しだけでも保ちたいですね。短所を隠すのは難しいですが、それを補うだけの長所をのばす一年にしたいものです。

執筆者:西