天なびコラム
第5018話
2014年07月24日
季節と音の思い込み
子どもたちの夏休みを待っていたかのように広い範囲で梅雨が明けました。「梅雨明け十日」という言葉がありますが、これを機に海へ山へ出かける方も多いでしょう。
さて、多分に漏れず連休を使って海に行ってまいりました。蒸し暑い風、さんさんと輝く太陽、白い入道雲、海辺で水音をたてながら騒ぐ子どもの姿・・・「夏だなぁ」と気持ちが盛り上がります。さらに夏を実感させてくれるのが「音」。お気に入りのBGMもありますが、ここでは自然の音です。
やはり代表は「セミ」。ジリジリジリ、ミーンミンミンと蝉時雨が夏らしさを引き立てます。
ただ林の中からは負けじと意外な鳥の鳴き声が・・・「ホーホケキョッ」。そうウグイスです。春告鳥の別名を持つ通り、季語は春。でも鳴き初めが春なだけであって、夏もよく鳴く鳥なんですね。頭の中で「ウグイス=春」の図式が出来上がっているので違和感を感じたのでしょう。
音と季節のイメージを自分の思い込みで作り上げたから感じたこと。ウグイスにとっては「私たちは昔から夏にも鳴いているよ。アナタが勝手に決めつけていただけ」といったところでしょうか。夏のウグイスは春よりも鳴き声がうまくなっているとか。その違いがわかるように自然との付き合いを深めて、より音と季節感を楽しみたいものです。
執筆者:西