天なびコラム
第5037話
2014年08月12日
41.0
1年前の8月12日、気象関係のとある記録が更新されたことを覚えていますでしょうか?
タイトルの「41.0」という数字は、この日の昼過ぎに高知県四万十市で観測された気温です。
国内観測史上最高記録が6年ぶりに更新された瞬間でした。
日本における高温の事例といえば、1933年に山形県山形市で観測された40.8度という観測値が有名ではないかと思います。
この値は2007年まで70年以上も国内の最高気温であり続けました。
記録こそ抜かれましたが、今でもフェーン現象による昇温の例として気象学の教科書で取り上げられます。
話は戻りますが、四万十市で41.0度を記録した日の天気図を見返すと、これも教科書に出てくる典型的な夏の気圧配置のひとつでした。
「鯨の尾型」と呼ばれ、南東から張り出した高気圧の先が北側に突き出ていることを鯨の尻尾に例えています。
この尻尾の部分では安定した天気になる一方、鯨の背中にあたるくびれの部分では寒気が流れ込んで天気が崩れやすくなるという特徴があります。
実際この日も、関東地方などでは1時間に数十mmの激しい雨が観測されています。
ちょっとした知識があると気温の情報や天気図などの見え方も変わってくると思います。
真夏の自由研究ではないですが、周りの人が知らないような気象雑学を探してみるのはいかがでしょうか。
執筆者:えのきー