天なびコラム
第5066話
2014年09月10日
たちまち
9月も10日が経ちました。日中は残暑を感じますが、朝晩は薄着だと肌寒く感じることも。夏より秋を感じることの方が多くなりました。
今夏を振り返ると大気の状態が不安定な日が多かったです。晴れていると思ったら、たちまち暗雲が広がり土砂降りに・・・。こんな経験をされた方もたくさんいたのではないでしょうか。
ところでこの「たちまち」は具体的にどれくらいの時間になるでしょうか。語源を調べると「立ったままで待っていられる時間」であることがわかりました。つまり「立ち待ち」です。でも、これも人によってバラバラです。割と長く待てる人もいれば、すぐに座り込む人もいます。
実は今日、「たちまち」が何分、または何時間くらいなのかを知ることができるチャンスです。というのも「立待月」が由来である説があるからです。これは陰暦17日目の月、とくに陰暦の8月17日の月を指すこともあります。今日がその8月17日なのです。
日没後、立って待っている間に月が昇ってしまう。だから「立待月」。今日の大阪の日没時間は18時13分、月の出の時間は18時54分。その差は約40分になります。この差は他の地点でも大差ありません。「たちまち」があらわす時間は40分と考えられます。
雲もまばらな晴れた空が真っ黒な雲に覆われるまでなら、早くてもこれくらいはかかりそうですね。的を射ている表現です。
ただ実際に40分も立ちながら待つと長く感じるかもしれません。せっかくですので今夜は日没から月を立待してみようと思います。みなさんの中の「たちまち」の時間感覚はどれくらいですか。
執筆者:西