天なびコラム
第5085話
2014年09月29日
鷹の渡り
9月の終わりになり気温がだんだん下がってくると、野生の生き物達は冬の準備をするようになってきます。私の地元の山に登って上空を見ると鷹の渡りが見られるようになってきました。
鷹には夏鳥と言われる春に日本に来て冬に東南アジア等暖かい場所に移動する種類と、逆に冬鳥と呼ばれる冬に日本に来て春になると中国大陸に移動する種類がいて、この季節になるとそれぞれの鷹が上空を飛んでいる姿が見られるようになります。
私はこの時期になると涼しくて運動にも適した気温なので山に双眼鏡を持って登り、鷹の渡りをよく観察しています。
天気が良く風が強くない日に上空を見ていると、旋回して風を待っている鷹や、気流に乗ってすーっと滑空するように飛ぶ鷹が見られます。私は一度山の頂上に登ると2〜3時間は粘って観察し続けていることもしばしばで、よく飽きないものだと我ながら思うのですが、翼を広げた鷹の飛ぶ姿がかっこよく、ついつい魅入ってしまいます。
私はずっとパソコンに向き合う仕事をしていながら視力が1.5なのですが、これは実は鷹の渡りを見ている効果ではないかと思います。
鷹は山の頂上から見ても黒い点にしか見えないくらい高いところを飛んでいて見つける事が非常に難しく、双眼鏡は視野が狭くなってしまうため、まず目で見つけてからでないと使えません。そして私も最初はなかなか見つけられないのですが、だんだん目が慣れてきて、すぐに見つけられるようになってきます。これが良い目のトレーニングになっているようで、鷹の渡りの季節になると視力も向上してきて、遠くの標識の文字が見えるようになりますし、遠くにピントが合う時間も短くなっているような気がします。
また、山に登っている間も木の葉っぱの緑色や木漏れ日が目に優しく、これも視力向上、維持に効果があるのかもしれません。
鷹の渡りは全国色々な地点で報告されており、山の上だけでなく平地でも見られることもありますので、皆さんも是非一度空に目を向けて、かっこいい鷹の姿を探してみてはいかがでしょうか。
なお、上空を見る際、特に双眼鏡を使うときにはくれぐれも太陽を直視しないよう気をつけてくださいね。
執筆者:伝書鳩