天なびコラム
第5516話
2015年12月04日
あかつきのチャレンジ
先日、日本のロケット「H2A」が国産ロケットとして初めて商業衛星打ち上げに成功しました。
日本の宇宙産業にとって大きな一歩になりました。
そして12月7日にも日本の技術力を試される機会が待っています。
金星探査機「あかつき」が金星周回軌道投入へチャレンジします。
金星は、太陽系が生まれたときに地球と似た条件で誕生した惑星と考えられています。
しかし高温の二酸化炭素の大気に包まれ、硫酸の雲が浮かぶなど地球とは全く異なる壮絶な環境を持っています。
またスーパーローテーションと呼ばれる秒速100mに達する暴風が金星全体で吹いています(列車でさえも吹き飛ばされてしまう強さです!)。
「あかつき」は金星全体の気象現象や地表面などを調査します。
そこで得られる情報を基に金星と地球の違いを研究することで、地球が穏やかで生命あふれる星となった理由や気候変動の謎を解明する手がかりが得られる可能性があるそうです。
実は「あかつき」は2010年5月に打ち上げられ、その年の12月に一回目の投入にチャレンジしましたが、残念ながらエンジン故障により失敗に終わってしまいました。
2回目の投入となる今回がラストチャンスとなります。
トラブルがありながらも挑戦を続ける姿勢からは「はやぶさ」を思い出しますよね。
再投入が成功することを祈っています。
執筆者:なるはや