天なびコラム
第5564話
2016年01月21日
風の呼び名
今日は大寒。暦通りの寒さが襲来しています。今日は冬型の気圧配置が少し緩みますが、友待つ雪はしばらく消えそうにありません。
ところで、この寒さをもたらすのが大陸から吹き出す季節風ですが、地域によっていろいろな呼び名がされてきました。代表的なものが「たばかぜ」「ならい」「あなじ」です。
「たばかぜ(束風)」は「たまかぜ(玉風)」とも呼ばれ、主に東北から北陸の日本海沿岸で使われてきました。冬の暴風を「風が束になってやってくる」とは上手く表現したものです。
「ならい(倣い)」は東日本の太平洋側で吹く季節風を指します。山の峰に沿って平行に吹くので「倣う」字があてられたとのこと。
最後に「あなじ」。西日本で吹く北西の季節風のことを言います。「あな」は北西の方向を示す「戌亥(いぬい)」のいぬが訛ったもの、または驚くほどすごいことを意味する感動詞であるなど諸説があります。「じ」は風の古語。類義語には「風巻(しまき)」があります。
いずれも今では馴染みがなくなりましたが、それぞれの言葉から、その生まれた場所の雰囲気を感じ取ることが出来るので楽しいです。みなさんは、お住まいの地域独特の風の呼び名、何かご存知ですか。
執筆者:西