天なびコラム

第5572話

2016年01月29日

緑の砂漠

大寒波も過ぎ去り、今冬の寒さの峠は越えたでしょうか。
大阪では幸か不幸か雪は降らず、ただただ寒さだけが通り過ぎていきました。

さて、もうじき花粉シーズンを迎えますね。
花粉の放出源は何といってもスギ・ヒノキですが、これらは人工林によるものが多いようです。
人工林は、適切に間引きを行わないと密に生えた樹木の枝葉で太陽光が遮られ、下層の植物が育たず、動物も居着くことが難しい"緑の砂漠"状態になってしまいます。
この緑の砂漠化は、野生動物がエサを求めて人里まで下りてくる原因にも挙げられています。
遠目には自然豊かに見える山々も、実は木々の足元ではこういった緑の砂漠化が進んでいるところかもしれません。
日本の国土面積の約7割が森林であり、そのうちの約4割が人工林ですが、林業は衰退傾向にあり、なかなか管理が行き届かないのが現状のようです。

いまや国民病となった花粉症の影に隠れてはいますが、花粉の放出源であるスギ・ヒノキの森林自体にも問題が潜んでいるようです。



執筆者:エトオ