天なびコラム

第5589話

2016年02月15日

巨大高気圧

一般に高気圧は停滞性と移動性に分けられ、シベリア高気圧や太平洋高気圧は停滞性の代表格です。

移動性の高気圧は春や秋など、日本付近の天気が周期的に変化する際に顕著となる高気圧で、文字通り高気圧が日本付近を西から東方向へ通り抜けていきます。

今回のタイトルの巨大高気圧というのは、先週半ばに日本付近を通過した移動性の高気圧のことです。
この高気圧は私もあまり記憶がないほどの大きさで、日本列島をすっぽりと覆うほどのサイズでした。

地上天気図で描かれる移動性の高気圧や前線を伴った温帯低気圧と、上空の偏西風の流れ方には深い関わりがあって、偏西風の南北の蛇行が大きいほど移動性の高気圧は優勢になります。逆に、低気圧はより発達することになります。

今年はエルニーニョの影響からか、例年に比べ偏西風の蛇行が大きいように感じます。
移動性高気圧の勢力が優勢となり巨大化するということは、一方で低気圧の急速な発達を示唆しているとも考えられますので、今年は春の嵐に要注意かも知れません。

ちなみにこのコラムは締切の関係で、2月10日に執筆しております。2月13日から14日にかけて、既に春の嵐となっていたようでしたら、タイミングが遅くなりお許しを頂きたいのですが、春の嵐は今後も第2、第3弾と続く可能性がありますので、引き続きご留意ください。


執筆者:Shin