天なびコラム

第6185話

2017年10月03日

銀杏

10月に入り、ようやく秋も深まりつつある今日この頃。
最近ではイチョウの木の下に、ギンナンが転がっているのをよく目にするようになりました。
実が熟すと独特な香りを放つギンナンですが、あの香りは他の動物に食べられないようにするための防衛本能によるものだと考えられています。
また、イチョウの木には雄と雌があり雌木のみにギンナンの実をつけます。近年は、においの苦情や落ちた実を収穫して食べる人も減っていること、実を踏んだ車がスリップするケースなどから、街路樹には実をつけない雄の木が使われることが多いのだそう。
私がほぼ毎日通っているイチョウ並木でも、昔は約5トンのギンナンがなり「ギンナン落とし」というイベントも開催されていたようですが、徐々に雄木に植え替えを進めているようです。
あの独特な香りで秋の到来を実感している私としては、全くなくなってしまうのは少し寂しい気持ちです。

そんなギンナンですが、食べると本当においしいんですよね。
子どものころは食わず嫌いでしたが、大人になって茶碗蒸しに入っているギンナンを食べたことがきっかけで今まで損をしていたことに気づきました。
それからというもの、色々な食べ方を試してみましたが、一番お気に入りの食べ方は素揚げして塩をまぶすフライドポテトならぬフライドギンナンです。しかしこれは食べだしたら止まらないので要注意。
ギンナンは非常に栄養価の高い食べ物ですが、食べ過ぎると中毒を起こす危険性があり、子どもは5粒、大人は30粒程度までがよいとされています。
今年も食べ過ぎない程度にギンナンを堪能したいと思います。


執筆者:まる