天なびコラム

第6188話

2017年10月06日

黒潮の大蛇行

1ヶ月ほど前から日本付近で黒潮が蛇行している、と気象庁からの発表がありました。
東海沖で黒潮の流れが南に曲がりくねるこの状態、実に12年ぶりの発生だということです。

一般に、大きな海の西端には、南北方向の強い流れが存在します。
例えばメキシコ湾流などが挙げられますが、その中でも黒潮は世界最大級の海流と言われています。
「西岸境界流」と呼ばれるこれらの海流は、広い目で見ると地球規模の熱バランスに大きく関係しています。

一方で私たちの生活に目線を近づけると、黒潮が蛇行すると船の経路や漁業の海域を変更しなければならないといった影響があります。
また、潮位の変動が大きくなりやすいことから、浸水被害のリスクが高まることも懸念されています。
過去の記録では、黒潮が大蛇行している時期に台風が通過し、顕著な高潮による水害が起こったこともあります。

これまでの経験も踏まえ、黒潮の蛇行は1年以上続く可能性が高いとも言われています。
普段は意識することが少ない海流の影響ですが、みなさんが興味を持つきっかけになればと思います。



執筆者:えのきー