天なびコラム

第6259話

2017年12月16日

オゾンホールは今

オゾンホールという単語はほとんどの方が耳にしたことがあると思います。
「南極オゾンホール」はその代表格で、世界的なオゾン層破壊の指標となっています。

南極オゾンホールは、毎年8〜12月頃に発生するという季節変化をしています。
その大きさについて、今年はこの30年程で記録的な小ささであったという解析結果を気象庁が発表しました。
8月頃(南半球では冬)から成層圏の気温が高かったことが要因であると考えられています。

人間が排出したフロンガスなどがオゾン層破壊の原因であることはよく知られています。
1980年頃からオゾンホールが発生するようになり、その後国際的な規制が合意されました。
この効果が出始めているのか、今後は年によっての多少の変動を繰り返しながら、数十年かけてこの頃の水準に回復すると予測されています。

「今年は小さかった」と言いましたが、そもそも現在もオゾンホールが発生しているという事実は変わりません。
私たちを紫外線から守ってくれている、はるか上空のバリアのことを思い返す機会になればと思います。



執筆者:えのきー