天なびコラム

第6291話

2018年01月17日

花ぼうろ

正月を過ぎてからも寒い日が続いていましたが、今日は各地で気温が上がりそうです。そのためか東北の天気予報でも雪ではなく雨マークが目立ちます。
ところで先日、「花ぼうろ」という言葉に出会いました。長崎の雲仙地方でよく使われるそうです。どんな意味があるのかを調べてみると「霧氷」のことでした。霧氷とは樹木に白または透明な氷が付着したものです。有名な樹氷もその一つになります。
氷や雪は花に例えられることがありますが、「ぼうろ」は何を表しているのか・・・。はっきりとした語源はわかりませんが、ポルトガル語の「ボーロ」が由来としている説があります。もともとお菓子の意味ですが、日本で「〇〇ぼうろ」といえば丸みを帯びた焼き菓子のイメージが強いです。なるほど、広葉樹の枝に付いた少しこんもりした霧氷をみると「ボーロ」といった表現がしっくりします。また昔から外国との貿易が盛んな長崎ならボーロ語源説も説得力があります。それが事実なら名付けた方のセンスの良さには感心します。優しい語感がとても素敵です。
今日は花ぼうろが消えてしまうような天気ですが、まだまだ花見のチャンスはありそう。春の訪れの前に近くの山に出かけて堪能してこようと思います。

執筆者:西