天なびコラム

第6300話

2018年01月26日

室内実験(雲)

電磁調理器(IH)を用いた室内実験は面白い現象が多いように思われる。20cm程のフライパンに水を半分以上注ぎ、蓋をせずにIHの設定を強にした状態で加熱したことがある。しばらくすると、沸騰し水蒸気が多量に発生する。この状態のまま放置しておくと、水蒸気が凝結し天井付近に白い雲が発生する。また、室内の気温の上昇も感じられる。

これはまさに、自然界で雲が発生する原理と同じである。フライパン内の水が蒸発して、水蒸気自身の熱で天井付近まで上昇する。室内は気温が低いため、天井付近まで上昇した水蒸気は凝結し雲粒に変化すると同時に潜熱放出で室内の気温が上昇したと容易に推察できる。IHの加熱を続けると結露した天井から水滴が落ちてくるのだろうが、今回の実験ではそこまでは行っていない。

一般に知られている雲を発生させる室内実験には、ペットボトルを用いるものがあるがここでは割愛する。読者の中で興味があれば試してみてはいかがでしょうか。自然の現象を手元で観察できるのはなかなか面白いものである。


執筆者:阿波狸