天なびコラム

第6637話

2018年12月29日

人工雪

今年、札幌で統計開始以来最も遅い初雪が記録されました。
半年ほど前の夏は「災害級の暑さ」と称されるほどの記録的猛暑、さらには記録的に遅い初雪など今年のスキー場はどうなってしまうのやらと危惧しておりました。
しかし、実家に帰省してみると例年通りの積雪量。除雪をしながら「もう降るな」と願いを込めて空を見上げるのであります。

ところで、当初危惧していたスキー場ですが、予定通りオープンできたところもあれば、いまだ雪不足でクローズ状態のところもあるようです。
そんな雪不足で悩むスキー場の救世主となるのが「人工雪」です。
人工的に雪を作るには専用の機械が使われるのですが、それらの機械は大きく二つに分類されています。
それは「人工造雪機」と「人工降雪機」です。
これらを簡単に説明すると、「人工造雪機」は、氷のブロックを細かく砕いて雪を作る機械、「人工降雪機」は低温の大気中に水を噴霧することで人工的に雪を作る機械です。

生成過程が天然雪に近いのは「人工降雪機」のほうですが、雪の形状が天然雪とは異なります。
天然雪は、おなじみの六角形の形など様々な結晶の形ですが、「人工降雪機」で作られた雪は球状になってしまいます。
球状であれば表面積が小さくなり、溶けにくいというメリットがあるようですが、雪質に粘りがなくサラサラしているなどパウダースノーは期待できません。
また、少し溶けて固まるとアイスバーンになってしまう、ということもあるようです。

降雪は一見単純な現象のようですが、なかなか人工でやるには難しい現象のようです。
帰省ついでに色んな意味で天然雪を満喫してこようと思います。


執筆者:ユン坊